どちらを信頼しますか?

地球生命環境の崩壊を警告している科学者

又は

際限なく経済成長を追求する世界の指導者たち

続く世代の幸せを願うなら、地球生命環境の崩壊は最大の問題です。

科学者たちがこのことを大変危惧しているのに、世界の指導者たちの動きはあまりにも緩慢であり、一般の人たちにも政府に任せておけば何とかなるのだろう、という風潮があります。

この問題の概要を「成層圏からみた人類の危機」としてまとめました。

また別に、英文のナレーションに日本語・英語の字幕をつけて、YouTubeに公開しました。全15篇になっております。このナレーションが眼の不自由な人や英字の読めない人の援けになりますように。

Contents


成層圏からみた人類の危機

要約

人類の危機はエネルギー不足にはなく
大量消費が生む残留汚染の増大にある。
1980年、経済成長が地球の限界を超えた。
以後これ以上の経済成長分は残留汚染となり
生命圏を劣化させている。
その結果、生物種は激減し地球の氷が眼に見えて融け始めた。
これらは消費が地球の限界を超えた証である。
–諸悪の根源に貧富の差がある–

イントロダクション

定期航空の機長だった著者が1960年以来、汚れていく地球を空から眺め、危機感をもって書いた、続く世代の命たちに贈る祈りの書である。

『今この機会を逃せば10~20年かそこらのうちに、危機的な事態を回復する機会は永久に失われ、人類の未来はほとんど閉ざされてしまう』。  (1992)

これは私の文章ではない。1992年ブラジル地球環境サミットの結果に危機感をもった世界の1600名以上の、自然科学分野のノーベル賞受賞者の殆どを含む著名な科学者たちの署名による「世界の科学者たちから人類への警告」という警告書の結論部だ。(参照: World Scientists’ Warning to Humanity)

ノーベル賞に学術的権威があるなら、リオデジャネイロ地球サミット僅か数ヵ月後に提出されている、この警告書の内容には重大な科学的根拠がある筈だ。だが不思議にも警告は無視されてしまった。

今は2017年、警告以来25年が経った。科学者が警告した回帰不能の時点を、人類は超えてしまった可能性が高い。

「エコロジカルフットプリント」という地球の限界を表す指標によると1980年の頃、人類の大量消費が地球の浄化能力を超えたとある。超えた消費分はその後、浄化されずに汚染となって生命圏に残留する。

地球の温暖化は多くの残留汚染の内の1つ、2酸化炭素の残留による現象だ。その結果地球の氷が眼に見えて融け始め、海面が上昇している。

それと時期を同じくして多くの生物種が急激に減り始めた。このままでは僅か300年で全生物が消えてしまうほどの絶滅率だ。

地球の氷が融け始め生物種も急に消え始めたのは、人類の消費が地球の限界を超えたことの証と言える。(第5章 エコロジカルフットプリント参照)

このまま現在の3%の経済成長を続ければ、消費と残留汚染が僅か23年毎に倍増するが地球は唯1つ、既に限界を超えており物理的に無理だ。

1980年の頃以来、GDPは増えているのに暮しが豊かになった感覚がないのは、経済成長すればするほど残留汚染が増え、その処理費用も指数関数状に増えて社会構造や福祉に必要な固定費を削り取るからだ。 (第6章 GDPが増えれば幸せになれるのか?参照)

この現状を考えると、世界経済社会が混迷に陥るのは遅くとも20年以内と考えられる。それでも世界の指導者たちは経済成長志向を止めようとしない。

2013年、地球温暖化防止会議(IPCC)が、今世紀末に気温が約5℃上昇すると発表した。地球の歴史を見るとこの状況は3500万年前、地表に氷は存在せず2酸化炭素の濃度は約450ppm、海面は現在より70m以上も高かった頃に相当する。

1980年、大気中の2酸化炭素の濃度が340ppmを超えた。歴史上この濃度では北半球に氷が存在できるかどうかの限界と考えられる。現実に1980年の頃から北半球の氷が融け始めたのだ。

更に2015年、2酸化炭素の濃度が400PPMをも超えてしまい毎年2ppm上昇中で、2040年には450ppmを超える。今から僅か23年後のことだ。

視点を変えると人類は、地球上に氷は無く海面が70mも高かった昔に一瞬にして時代を巻き戻しているのだ。

*もっと読む;

ではなぜ、このような人類の危機が起きたのだろう。

人類社会の諸悪の発生源は貧富の差にあると考えられる。無限の欲望の自由を容認する現代の社会構造が生命環境を破壊し貧富の格差を作り、妬みと敵愾心が世界紛争を呼ぶ。貧富の差と環境破壊と世界平和は、現代の社会問題として連動しているのだ。

若い人たちがこのまま政治に無関心で老人たちに政治を任せていたら、残留汚染で劣化した耐え難い生命環境の中に、ワーキングプアの日々を生きることになる。

物質的な幸不幸には簡単な原則がある。周りの人と自分との間に貧富の差さえなければ、人より多くを持ちたい気持ちも薄れて消費が減り、心も穏やかでいられるし人に優しくもなれるのだ。

若人たちが1人1票という民主主義の制度を活用すれば、平和で美しい世界に戻るのは夢ではない。

希望は税制の改革にある。高率の累進課税により貧富の差が解消すれば物欲も減り、地球の限界内に戻る道筋ができる。

複雑な政策や道徳面の教育も必要としない。税制の改革でお金の流れの方向が変われば生き方や世界観など、民衆の心は全く違ったものになる。

若人が自分たちの未来を真剣に考え、平穏で幸せな日々を得るために、是非とも立ち上がって欲しい。

水とみどり、いのち豊かな美しい地球が
つづく世代に残りますように

全文

この文書の全文は、以下のPDFファイルで無料公開されている。

各章の概要とYouTube動画へのリンク

このナレーションは、眼の不自由な人や英字の読めない人の助けになるように作成しました。

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全体の概要を1編目のビデオ(タイトル, 紹介, 序文)に圧縮しておきましたので、最初の編だけでもお読み下さると嬉しいです。

Title, Introduction, Prologue, Contents Image

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